WORK.SIGNALALL SIGNALS
/ SECURITY / DEEP DIVE

WildFlyのIIOPに認証回避と認証前デシリアライズ、Red Hatが2件公表

82 / 100SIGNAL DEEP DIVESECURITY約3分で読める

Red Hatは2026年10月29日、WildFlyのIIOP機能に関する2件の脆弱性情報を公開した。CVE-2026-114488は特定設定下でのEJB呼び出し時の認証回避、CVE-2026-15564は認証前の入力デシリアライズに関するもの。いずれもCVSS基本値は7.4だが、Red Hatは成立条件を踏まえて製品への影響をModerateと評価している。

30秒でわかる / THE SIGNAL

Red Hatは2026年10月29日、WildFlyのIIOP機能に関する2件の脆弱性情報を公開した。CVE-2026-114488は特定設定下でのEJB呼び出し時の認証回避、CVE-2026-15564は認証前の入力デシリアライズに関するもの。いずれもCVSS基本値は7.4だが、Red Hatは成立条件を踏まえて製品への影響をModerateと評価している。

IIOP経由の認証回避:CVE-2026-114488

Red Hatの公式説明によると、WildFlyのCSIv2セキュリティインターセプターが、IIOPサービスコンテキストに含まれるITTPrincipalNameの本人性をトランスポート層の認証に結び付けずに受け入れる問題がある。攻撃者がIIOPポート(既定TCP 3528)へ到達でき、管理者などがcaller propagationを明示的に有効化し、相互TLSや必須の認証コンテキストを適用していない場合、認証前のクライアントが別の主体になりすましてリモートEJBを呼び出す可能性がある。Red Hatは標準設定のcaller propagationが「none」であることを明記し、通常の構成すべてに当てはまる脆弱性ではないと説明している。

認証前のデシリアライズ:CVE-2026-15564

もう一件は、IIOPリスナーが認証前に入力ストリームをデシリアライズし得る問題。攻撃が成立するにはIIOPポートへアクセスできることに加え、対象EJBが型の限定されないパラメーターを受け付け、クラスパス上に悪用可能なガジェットチェーンが存在する必要がある。Red Hatによると、標準のJBoss EAP構成ではIIOPサービスはlocalhostにのみバインドされ、外部からの到達は既定で制限されている。現段階で、この説明をもって無条件の遠隔コード実行が可能と断定することはできない。

CVSS 7.4でも、Red Hatの製品評価はModerate

両件のRed Hat公式CVSS v3.1基本値は7.4で、スコア区分ではHIGHに相当する。ただし同社は、いずれも非標準の設定や複数の条件が必要であるため、製品に対する重要度をModerateと明記している。CVE-2026-114488はネットワーク経由の認証回避、CVE-2026-15564はIIOPへの到達と特定のアプリケーション条件が前提となる。スコアのみを見て全構成での緊急侵害と扱うのは適切ではない。

今すぐ確認する設定と、残る不明点

Red Hatは、IIOPポート(既定TCP 3528)を信頼済みネットワークに制限することを両件の緩和策として提示。認証回避の問題にはcaller-propagationを既定の「none」に戻し、必要なら相互TLSなどのトランスポート認証を要求する対策を挙げている。デシリアライズの問題には、CORBA/IIOP連携を使用していなければサブシステム削除も提示する。ただし変更はリモートEJB連携を停止させ得るため、業務影響の確認と計画的な再読み込みが必要となる。現時点で公式公開ページから修正済み製品バージョンを確定できていないため、パッチ番号は記載しない。

TRANSMISSION / AFTER THE SIGNAL

読んだ、その先へ。

気になった変化を共有して、次のシグナルへ。

SHARE THIS SIGNAL

BACK TO THE INDEX / FIND THE NEXT SIGNALALL SIGNALS