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富士フイルム、AI人材を現場へ。課題発見から実装まで担う全社組織を11月新設

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富士フイルムホールディングスは2026年10月30日、全社横断のAI・IT技術開発組織「Future Design & Engineering Center」を11月1日付で新設すると発表した。専門人材が事業現場に入り、課題の発見から技術開発・製品実装、他事業への横展開までを担う。AI導入を単発の技術開発から事業成果につなぐ組織設計として注目されるが、導入効果や人員規模は今回の発表では示されていない。

30秒でわかる / THE SIGNAL

富士フイルムホールディングスは2026年10月30日、全社横断のAI・IT技術開発組織「Future Design & Engineering Center」を11月1日付で新設すると発表した。専門人材が事業現場に入り、課題の発見から技術開発・製品実装、他事業への横展開までを担う。AI導入を単発の技術開発から事業成果につなぐ組織設計として注目されるが、導入効果や人員規模は今回の発表では示されていない。

AI専門家が「現場から渡された課題」を解く体制から転換

富士フイルムホールディングスは10月30日、11月1日付で全社横断のAI・IT技術開発組織「Future Design & Engineering Center」(FDE-C)を新設すると発表した。CDOの桝本潤氏が直接管掌する。これまでは各事業部が抽出した課題に対してAI・IT専門人材が技術開発を進めてきた。新体制では専門家がFDE-Cに所属しながら事業現場に深く入り、表面化していないニーズや本質的な課題の発見から関わる。これは発表された組織方針であり、すでに成果が出たという報告ではない。

構想、開発、製品実装までを一貫して担当

FDE-Cは「Forward Deployed Engineer」の考え方を富士フイルムグループの事業特性に合わせて発展させる。専門家が現場で課題を捉え、事業部門や研究・開発組織と連携してAI・IT技術を開発し、製品やサービスへの実装と事業成果の創出まで一貫して推進する構想だ。単にAIツールを導入する部署ではなく、技術と事業の双方を理解するチームを作ろうとしている点が特徴となる。

成功した技術を一事業だけで終わらせない

もう一つの役割は、個別事業で培った技術・知見・開発資産を蓄積・体系化し、別の事業へ展開することだ。多様な事業を持つグループ内で、同じ課題に重複投資することを減らしたり、現場で得た知見を他部署へ移したりする余地が生まれる。ただし、共通基盤の具体的な仕様、対象案件、投資額、組織の人数などは公式発表に記載されていない。横展開の実績は今後の検証が必要だ。

WORK SIGNALの視点|企業が学べるのは「人材の配置」と「成果の測り方」

ここからは編集部の分析だ。AI活用が進まない企業では、現場が課題を十分に言語化できず、技術担当は依頼された機能の開発にとどまることがある。FDE-Cの設計は、技術人材を現場の課題発見から参加させる一つの選択肢を示す。自社で応用するなら、現場と専門人材の共同責任者を置くこと、試作品の完成ではなく業務時間・品質・売上などの成果指標を設定すること、成功事例を再利用できる形で記録することが検討材料になる。これらは富士フイルムが採用すると発表した具体的KPIではなく、今回の方針を踏まえた実務上の提案である。

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