ソフトウェアの署名・検証に関わるSigstoreのJavaScript実装「@sigstore/oci」に、OCIレジストリの認証情報を別ホストへ送信する恐れのあるHIGH脆弱性(CVE-2026-118763)が公表された。影響するのは0.7.1以前で、修正版0.7.2が案内されている。攻撃成立にはレジストリ側の応答を悪意あるホストへ誘導できる条件が必要で、実際の悪用は確認されていない。
30秒でわかる / THE SIGNAL
ソフトウェアの署名・検証に関わるSigstoreのJavaScript実装「@sigstore/oci」に、OCIレジストリの認証情報を別ホストへ送信する恐れのあるHIGH脆弱性(CVE-2026-118763)が公表された。影響するのは0.7.1以前で、修正版0.7.2が案内されている。攻撃成立にはレジストリ側の応答を悪意あるホストへ誘導できる条件が必要で、実際の悪用は確認されていない。
署名付きアーティファクトの送信経路に潜む認証情報漏えい
Sigstore開発元のGitHub Security Advisoryは、JavaScriptパッケージ「@sigstore/oci」におけるCVE-2026-118763をHIGH(CVSS v3.1 7.4)と評価している。影響バージョンは0.7.1以前で、修正版は0.7.2。問題はOCIレジストリへのアーティファクト添付・アップロードの処理で発生し得る。レジストリから返されるアップロード先のLocationヘッダーが別ホストを指していても、同じHTTPクライアントの既定ヘッダーに設定した認証情報が送られる可能性がある。
Basic認証・Bearerトークン・独自認証ヘッダーが対象
開発元の説明では、signIn()がAuthorizationをHTTPクライアントの既定ヘッダーとして設定し、uploadBlob()がレジストリの応答から組み立てたURLへPUTリクエストを送る。アップロード先ホストの一致確認がないため、Basic認証であればユーザー名とパスワード、Bearer認証であればアクセストークン、構成によっては独自認証ヘッダーが別ホストへ送られ得る。これはHTTPライブラリが通常のクロスホスト・リダイレクト時にAuthorizationを除去する仕組みでは防げない。問題のPUTはリダイレクト追跡ではなく、新しいリクエストだからだ。
悪意あるレジストリなどの条件が必要、実悪用は未確認
本件を「すべてのSigstore利用者が無条件に認証情報を漏えいする」と解釈するのは誤りだ。開発元が説明する成立条件には、悪意ある/侵害されたレジストリ、あるいは別ホストへのアップロード先を攻撃者が制御できる状況が含まれる。勧告はソースコード上の経路を検証したもので、敵対的なレジストリに対する実際の送信試験は行っていない。現時点で実環境での悪用を確認したという発表も見当たらない。
7.2への更新と認証情報の点検を
@sigstore/ociを直接または依存パッケージ経由で利用する環境では、0.7.2以降への更新が推奨される。特に署名付きアーティファクトをOCIレジストリへアップロードするCI/CD環境では、レジストリの信頼性、アップロード先ホスト、使用する資格情報の権限を確認したい。想定外の宛先への送信が疑われる場合には、ログを確認し、該当資格情報の失効・再発行を検討する。修正済みバージョンと影響条件は開発元勧告に基づく。