AWSの顧客向け配信基盤「Amazon Pinpoint」は、2026年10月30日に顧客セグメント、キャンペーン、ジャーニー、分析ダッシュボードなどの機能がサポート終了日を迎えた。一方、SMS・プッシュ通知・ワンタイムパスワードなどの送信機能まで一斉に終了したわけではない。AWS公式資料を基に、利用継続できるAPIと移行先を整理する。
30秒でわかる / THE SIGNAL
AWSの顧客向け配信基盤「Amazon Pinpoint」は、2026年10月30日に顧客セグメント、キャンペーン、ジャーニー、分析ダッシュボードなどの機能がサポート終了日を迎えた。一方、SMS・プッシュ通知・ワンタイムパスワードなどの送信機能まで一斉に終了したわけではない。AWS公式資料を基に、利用継続できるAPIと移行先を整理する。
終了したのは顧客エンゲージメント機能
AWSはAmazon Pinpointのサポート終了日を2026年10月30日と定めていた。対象は、顧客のエンドポイント管理、セグメント、キャンペーン、ジャーニー、分析ダッシュボードなどのエンゲージメント機能。AWS公式ドキュメントによると、終了後はPinpointコンソールとこれらのリソースへアクセスできなくなる。ユーザー単位の送信を行う `SendUsersMessages`、保存済みエンドポイントID宛の送信、アプリ内メッセージ、レコメンダー、分析・KPI APIも終了対象だ。終了告知は2025年5月20日に掲載されており、今回の話は突然発生した障害や11月1日の新発表ではない。
すべての送信APIが停止したわけではない
AWSの機能別対応表では、プッシュ通知、プッシュ用テンプレート、OTPの送信・検証、電話番号検証は継続するとしている。 `SendMessages` は、アカウントで引き続き利用可能なチャネルに限り継続。SMS・音声・メールの送信は2025年5月20日より前に利用登録した既存顧客向けに継続し、SMS・音声・メールのテンプレート操作も維持される。送信結果のKinesis/Data Firehoseイベント配送とCloudWatchメトリクス配送も継続するが、従来のPinpoint分析・KPI APIとは別物だ。したがって「Pinpointが終了したのでSMSが全停止した」という理解は正確ではない。
移行先は用途別に異なる
AWSは、セグメント管理やキャンペーンなど顧客との継続的な接点を設計する用途にAmazon ConnectのアウトバウンドキャンペーンとCustomer Profilesを推奨している。一方、SMS・プッシュ・音声などの直接送信にはAWS End User Messaging、メール送信にはAmazon Simple Email Service(SES)を案内。イベント収集やモバイル分析にはAmazon Kinesisが候補となる。顧客属性、配信テンプレート、同意管理、運用指標などの移行方法はシステムごとに異なり、AWSは一括の自動移行が完了したとは説明していない。
既存利用者が今確認すべきこと
まず、運用中のアプリがPinpointのセグメント・キャンペーン・ジャーニーや `SendUsersMessages` に依存していないか、呼び出しAPIと運用フローを棚卸しする。次に、継続対象の直接送信APIでも既存顧客・チャネル条件があるため、アカウント単位で確認する。過去の分析データは期限前のエクスポートが推奨されていたため、未移行の場合はAWSサポートに利用可能な復旧・取得手段を相談する必要がある。公式資料は終了後の仕様を説明しているが、各社の実環境で何が実際に停止したかまでは証明していない。稼働状況と移行可否は個別に検証したい。