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BIS、ステーブルコイン時代の決済を再整理。中央銀行マネーを「信頼の基盤」とする4つの役割

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ステーブルコインやトークン化預金が広がると、銀行以外の事業者も決済を担う。BISの決済・市場インフラ委員会は10月29日、新しい決済網でも中央銀行マネーが信頼の基盤となると整理した報告書を公表。日本銀行も11月2日に紹介した。金融機関や決済サービス企業が考えるべき、口座アクセス・インフラ・監督・標準化の4領域を読み解く。

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ステーブルコインやトークン化預金が広がると、銀行以外の事業者も決済を担う。BISの決済・市場インフラ委員会は10月29日、新しい決済網でも中央銀行マネーが信頼の基盤となると整理した報告書を公表。日本銀行も11月2日に紹介した。金融機関や決済サービス企業が考えるべき、口座アクセス・インフラ・監督・標準化の4領域を読み解く。

デジタル決済が増えても「お金の信頼」は別問題

国際決済銀行(BIS)の決済・市場インフラ委員会(CPMI)は2026年10月29日、「The roles of central banks and central bank money in the evolving payment system」を公表した。2003年の基礎報告書を踏まえ、即時決済、銀行以外の決済サービス事業者、トークン化預金、ステーブルコイン、プログラム可能な決済基盤を横断して検討したものだ。日本銀行は11月2日、原報告書と要旨仮訳を案内した。BISは、民間決済手段が競争や利便性を促進する一方、中央銀行マネーが重要な決済システムにおける安全で流動性の高い決済資産となり、異なる支払手段を額面どおり交換できる信頼の土台を支えると位置づける。

中央銀行に示された4つの役割

BISが整理した検討領域は4つある。第1に「発行者」として、どの事業者に中央銀行口座へのアクセスを認め、どのサービスにどの条件で利用させるか。第2に「運営者」として、既存の決済インフラを近代化するか、新しい基盤を構築するかを、耐障害性や導入リスクと比較すること。第3に「監督者」として、ステーブルコインやトークン化された決済の仕組みが金融市場インフラに近い機能を持つか、システム上の重要性・ガバナンス・運用耐性を見極めること。第4に「変革の促進者」として、関係者の調整、業界標準や共通実務の普及を後押しすることだ。いずれも各国中央銀行に示した検討事項であり、全世界で一律の制度変更が決まったわけではない。

企業決済にとって重要なのは「速さ」だけではない

送金や決済サービスを選ぶ金融機関、フィンテック、企業の財務部門には、処理速度や手数料に加えて、どの資産で最終決済するのか、換金可能性をどう確保するのか、障害時に誰が責任を持つのかを確認する必要がある。BISは、新しい仕組みが効率化や競争を生む一方、信用・流動性・オペレーション・サイバーの各リスクを新しい形で結びつける可能性を指摘した。たとえば決済先が複数の事業者や台帳にまたがる場合、単独システムの安全性だけでなく相互接続先への依存も点検対象になる。これは報告書の論点から導いた実務上の示唆であり、個別サービスの安全性をBISが認証したという意味ではない。

新しい法律でも、ステーブルコイン全面否定でもない

今回の報告書は、中央銀行が使い得る政策手段とトレードオフを整理する分析文書だ。ステーブルコインの発行禁止、中央銀行口座の一律開放、新たな規制の施行日、個別国の制度決定を発表したものではない。BISは民間の決済手段がイノベーションを担う役割も認め、中央銀行の政策選択は国ごとに異なり得ると説明している。企業はこの報告書を「直ちに義務が増えた」というニュースではなく、今後の制度設計や決済パートナー選定で重視されるリスク・信頼性の整理として読むのが適切だ。

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