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米国の雇用コスト、7〜9月は0.8%増に鈍化。実質賃金は前年比0.6%減

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米労働統計局(BLS)が10月30日に公表した2026年7〜9月の雇用コスト指数では、民間・公的部門を含む労働者の総報酬コストが前期比0.8%上昇し、前期の0.9%から鈍化した。賃金・給与は前期比0.7%増だった一方、民間部門の実質賃金・給与は前年比0.6%減。企業の人件費負担と働く人の購買力は、異なる方向から確認する必要がある。

30秒でわかる / THE SIGNAL

米労働統計局(BLS)が10月30日に公表した2026年7〜9月の雇用コスト指数では、民間・公的部門を含む労働者の総報酬コストが前期比0.8%上昇し、前期の0.9%から鈍化した。賃金・給与は前期比0.7%増だった一方、民間部門の実質賃金・給与は前年比0.6%減。企業の人件費負担と働く人の購買力は、異なる方向から確認する必要がある。

雇用コストの伸びは前期比0.8%へ

米国労働統計局(BLS)が2026年10月30日に公表したEmployment Cost Index(ECI)によると、民間企業と州・地方政府を含む労働者の総報酬コストは、2026年7〜9月期に季節調整済みで前期比0.8%上昇した。4〜6月期の0.9%から0.1ポイント鈍化した。

内訳は賃金・給与が前期比0.7%増、福利厚生費が0.9%増。4〜6月期はそれぞれ0.9%、1.0%だった。企業が負担する報酬総額の伸びはやや緩やかになったが、費用自体が減少したわけではない。

年間では報酬3.4%増、福利厚生費3.9%増

2026年9月までの12か月間では、総報酬コストは季節調整なしで3.4%増、賃金・給与は3.1%増、福利厚生費は3.9%増だった。福利厚生費の伸びは賃金・給与を上回る。

民間企業の医療関連福利厚生費は前年同期比6.4%増と、総報酬の伸びより高かった。人件費を評価する際、基本給や賃金だけでなく、保険などの福利厚生コストも重要な構成要素となる。

実質賃金は前年比0.6%減

民間企業のインフレ調整後の賃金・給与は、2026年9月までの12か月間で0.6%減少した。名目賃金が上昇しても、物価上昇を差し引いた購買力は低下し得ることを示す。

これはECIで計測した米国民間部門の集計値であり、すべての労働者の手取り額が同じ割合で減ったことを意味しない。税金、社会保険料、勤務時間や世帯の支出構成によって、個人の実感は異なる。

WORK SIGNALの視点|人件費と購買力を別々に管理する

ここからは編集部の解釈である。米国事業を持つ企業や米国向け事業を運営する日本企業にとって、雇用コストの伸びの鈍化は予算や採用計画を点検する一つの材料になる。一方で、福利厚生費の伸びや実質賃金の低下は、従業員の生活実感と企業の費用負担が一致しない可能性を示す。

人事・経営の実務では、給与改定率だけでなく福利厚生費、採用維持コスト、物価を踏まえた実質的な処遇を分けて確認したい。ただし今回の数値だけから、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の政策金利や日本の賃上げ率を予測することはできない。

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