米労働統計局が11月6日に公表した10月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比16万5,000人増え、失業率は4.1%でほぼ横ばいだった。専門・企業向けサービスや医療が採用を支えた一方、希望するフルタイム職を得られず短時間で働く人は増加した。雇用者数だけでは労働市場の強さを測れない。
雇用増16.5万人、直近12か月の平均を上回る
米労働統計局(BLS)の2026年10月雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比16万5,000人増。直近12か月の月平均増加数4万8,000人を上回った。失業率は4.1%、失業者数は約710万人で、前月から大きく変わっていない。雇用者数は事業所調査、失業率は家計調査に基づく別々の指標だ。
企業向けサービスと医療がけん引
業種別では専門・企業向けサービスが7万人増、医療が4万2,000人増、運輸・倉庫が2万5,000人増だった。製造業も1万9,000人増と緩やかな増加傾向を続けた。民間非農業部門の平均時給は前月比14セント(0.4%)増の38.00ドル、前年同月比3.1%増。名目賃金の伸びであり、購買力の改善を判断するには物価動向との照合が必要となる。
雇用の「質」には注意信号
経済的理由による短時間就業者は前月比33万9,000人増の480万人となった。これはフルタイムを希望しながら労働時間削減や求人不足などで短時間就業している人を指す。雇用者数が増えたことと、希望する労働時間を確保できる人が増えたことは同義ではない。企業の採用担当者は業種別の雇用増だけでなく、労働時間や応募者の就業希望にも目を向けたい。
過去分は上方改定、次回も確認を
8月の雇用者増は13万3,000人から18万6,000人へ、9月は2万9,000人から6万人へ改定され、2か月合計で従来公表より8万4,000人多くなった。速報値は今後も改定され得る。BLSは次回の11月分を12月4日に公表予定。今回の数字だけで景気の先行きやFRBの政策決定を断定することはできない。